そういえば退職後の年金っていくらもらえるのかな?
すぐ先のことだから、一度調べてみるか。
「人生100年時代」と言われる現代、まだまだ働き盛りの50代。
人生の折り返し地点に到達した今こそ、老後の生活資金、年金についても考え始めるべきタイミングです。
実際に年金を受給するのは少し先の話ですが、人生はこれからも長く続いて行きます。
大事な老後資金となる、知っているようで知らない年金の基本について改めて確認してみましょう。
この記事を最後まで読むと、自分がもらえる年金について理解することができます。
50代・意外と知らない「企業年金」と「厚生年金」の違い
企業年金とは
年金には大きく2種類、公的年金と私的年金があります。日本の年金は、国民全員が受給できる国民年金を土台とし、会社員が加入する厚生年金、さらにその上乗せ部分としての企業年金の3階建て構造になっています。
企業年金とは、企業(会社)が従業員の老後生活を豊かにするため、公的年金とされる国民年金・厚生年金に加えて設けた私的年金制度です。要は、企業が従業員に対して年金を支給する、という制度です。
後ほど詳しく紹介しますが、企業年金には下記の3種類があります。
- 「確定給付企業年金」
- 「確定拠出企業年金」
- 「厚生年金基金」
厚生年金とは
厚生年金とは、国民年金と同じ、国が管理・運営する公的年金のひとつです。
国民年金(基礎年金)は、日本に在住している20歳以上60歳未満の国民すべてに加入が義務付けられている年金です。
その上乗せ分として、会社員や公務員が合わせて加入するのが厚生年金です。(パート・アルバイトでも条件を満たせば加入することが可能です。)
厚生年金の保険料は標準報酬月額の約18%ですが、事業主がその半分を負担してくれるため、本人からは約9%分が給与から自動的に源泉徴収されます。
厚生年金に加入している場合は、国民年金保険料を厚生年金が負担してくれるため、別途納付する必要はありません。
扶養家族の保険料についても同様です。
年金受給に必要な保険料納付期間は10年です。
20年以上の納付期間があり、扶養している配偶者や高校生までの子供がいる場合は、申請すれば加給年金が加算される場合もありますので調べてみるといいと思います。
50代が知るべき、企業年金の種類は3つあります
企業年金には、前述の通り「確定拠出企業年金」・「確定給付企業年金」・「厚生年金基金」の3種類の制度があります。それぞれの特徴について、簡単に説明してありますので、下記で見ていきましょう。
確定拠出企業年金とは?
確定拠出企業年金は、導入している企業の社員のみが加入できる企業年金です。
60歳を過ぎるまで引き出すことはできず、定年退職を迎える60歳以降に、資金を一時金(退職金)もしくは年金の形式どちらで受け取るかを選択することができます。
主な特徴は下記の3点です。
- 企業が掛け金を支払う(金額は固定)
- 企業が提示した商品(保険・定期預金・投資信託)の中から、自分で商品を選択し運用
- 将来の受け取り金額は、運用成績によって変動する
また、税金のメリットが受けられることも大きいです。
- 掛け金が所得控除の対象(所得税・住民税が軽減される)
- 運用利益が非課税扱いになる。(通常だと約20%の課税あり)
- 一時金として受け取る場合は退職所得控除、年金として分割で受け取る場合は公的年金等控除をそれぞれ受けられる
確定給付企業年金
確定給付企業年金は、と同様に、導入している企業の社員のみが加入できる企業年金です。主な特徴は下記の3点です。
- 企業が掛け金を支払う(本人の同意があれば、2分の1を上回らない範囲で掛け金を従業員に負担させることも可能)
- 企業が契約している信託銀行または企業年金基金が資産運用を行う
- 運用成績にかかわらず、退職後に給付される金額が確定している
また、確定給付企業年金は、下記の2種類に分けられます。
規約型企業年金
規約型は、年金の制度内容を定めた規約内容に基づき、掛け金を契約している外部に拠出し、資産運用を行い、年金給付を行うもの。
基金型企業年金
企業が別法人として設立した企業年金基金が、年金の制度内容を定めた規約内容に基づき、年金資産を管理・運用するもの。
厚生年金基金とは?
厚生年金基金とは、厚生労働省の認可を受けた法人であり、厚生年金の老齢給付の一部を、企業が国に代わって支給するとともに、それぞれ独自の年金をそれに加算して給付する制度です。
以前は集めた資金を、それぞれの基金ごとに生命保険会社等で運用し、給付されていたものの、バブルの崩壊をきっかけに徐々に運用成績が悪化。
多くの基金が解体されたため、現在でも活用している人は極少数です。
また、法改正により厚生年金基金の新規設立ができなくなったため、導入している企業もほとんど存在しないと言っていいでしょう。
企業年金っていくらもらえるの?
企業年金制度がない企業もある!
企業年金は、企業独自の制度のため、導入していない企業もあります。
従業員が1000人を超える企業での導入率は高くなっていますが、年々、企業年金制度がある企業は減少。
全体の3分の1程度であると言われています。
超低金利時代の昨今、資金の運用が極めて難しくなっており、運用成績に関係なく一定の金額を給付する企業型確定給付年金の導入は企業にとって大きな負担です。
そのため、掛け金の運用を従業員に委ねる企業型確定拠出年金が現在の主流となっているようです。
企業年金支給例
では、企業年金は実際、いくらもらえるのでしょうか。
加入している企業年金の種類や会社の規模等、本人の給与額、加入年数によって変動はありますが、「大卒・従業員1000人以上の企業・加入20年」で総額、平均2,200万円前後と言われています。
昨今では、給与の年功序列制度の廃止や成果評価の導入、終身雇用という考えが減ってきていることから、現在の収入からの金額の予測は非常に困難であるといっていいでしょう。
可能であれば、ご自身が勤務している人事・総務に問い合わせてみましょう。
50代のお金のお勉強「企業年金」「厚生年金」まとめ
・企業年金は私的年金、厚生年金は公的年金
・企業年金は全部で3種類!「企業型確定拠出年金」「企業型確定給付年金」・「厚生年金基金」
・現在の企業年金の主流は「企業型確定拠出年金」、税金のメリットを享受できる
・企業年金を導入している企業は全体の3分の1程度。
・もらえる金額(総額)の平均は2,200万前後と言われているが、現在の収入からの金額の予測は困難。
いかがでしたでしょうか。
ここまで読んで、将来の老後資金に不安がある、改めて見直しをしたいという方も多いのではないでしょうか?
そんな方は、FP(ファイナンシャルプランナー)などに相談してみることをおすすめいたします。
また、多くの銀行や信用金庫では、年金や資産運用に関する相談会を開催しています。
そういった集まりに一度参加してみるのもおすすめです。
専門家に相談することで、あいまいだったご自身の不安や疑問、今後のビジョンが明確に見えてきます。
他人がいるところでお金の話は・・・という方は、最寄りの支店に電話で相談すれば、専門の担当者が自宅を訪問してくれます。
より詳細な相談をすることも可能です。
大事な、大事な老後資金となる年金のことなので、不安や疑問は早めに解決しておくと安心ですよね。
WORK-LIFE-HAPPY TAKUZOでした。