私が前職で労務をやっていた時に、当時50代の従業員(Aさん)の方が鬱病で退職された経験があります。
その方は、長年の間、親族の問題で非常に悩まれて「うつ病」と診断されました。
まじめな方だったのですが、仕事も手につかない状況になり退職するという選択をされました。
この記事は、その方と退職後も何度かお会いして話す機会をいただいた際にお聞きした実際の声を求めたものです。
なりたくてなったわけじゃない病気が原因で仕事を辞めて、そのあとに退職を後悔している方、
そしてその後の転職活動も思うようにいかない状況で将来が不安な方、
もしくは知人にそのような方がいらっしゃる方のヒントになれば幸いです。
うつ(鬱)病で仕事を辞めて後悔していることを整理する
それでは実際に辞めたAさんはどにょうなことに後悔していると思っていたのでしょうか?
うつで退職して今までの経歴が「0」になる気がする
うつ状態の時は、ポジティブに考えられないのは想像がつきます。
なんでも、悪い方向に考えてしまいがちですが、この場合もそうです。
今まで、Aさんは数社の転職を経験してわが社に入社されまして、勤続12年のベテラン社員さんです。
役職は特に責任がある立場ではなかったのですが、いろんな仕事をおまかせして安心できる方でした。
そんなAさんが退職して感じたことが
「今まで自分なりにやってきたことがすべてなくなってしまうような気がした」とのことでした。
もちろん、今までの積み重ねが「0」にはなりませんが、会社でまじめに勤務することが当然と思っていたAさんは辞めることで「0」になるという感覚になったそうです。
*Aさんは今までの転職の際にはそう感じなかったとのことですので、やはり病気が関係していたかもしれませんね。
うつで退職後、まわりの人との人間関係が変わった
それなりに社交性もあったAさんが人間関係で悩んでいるとの話もしてくださいました。
【友人】
今までの友人でも、若いころからの友人はそんなに変化はなかったとのことでしたが、大人になってからの友人関係は変化があったようです。
具体的に言うと、定期的な連絡もなくなり、こちらから連絡しても相手が気を使ってか、なんとなく距離が感じられたとのことでした。
その後は次第に疎遠になり…。
自分の状況はさておき、仕事の取引先でもない友人は以前と変わりなく…と思っていたAさんはちょっとショックだったようです。
【会社関係】
会社関係は退職後は個人的に接触することは必然的になくなるのですが、勤めていた自分の会社にも行くのに「気が引けて行けなくなった」と。
こちらは、ウェルカムでもやはり自分から顔を出すというのはハードルが高く感じたようですね。
こちらからお声をかけるべきだったと反省しております。
【家族】
もともと親族の問題で悩みがあったので、あまり相談できる人が身内にいなかったものAさんにとってはつらかったのかもしれません。
退職後は、以前にもまして大きな悩みのもととなることになったそうです。
家族で病気や悩みを打ち明けられる存在入るってことは、当たり前のように思えますが、実はあたりまえでないかもしれません。
うつで退職して後悔・収入が安定しない不安
これは、うつで退職した人のみならず収入が安定しない人は不安に思っていることと思います。
この不安は、収入を得る手段を探すか、支出が少なくてもやれる環境になるかどちらかです。
この時、まじめなあなたはこう思うでしょう。
大丈夫です。
人生はまだまだ続きます😅
仕事がしたくてもできない状態の方には日本に生まれたことで、他の国に生まれるよりも余分な心配をしなくてもいい部分がございます。
うつで退職して後悔しているけれど、もっと大事なことは…
あなた自身が今より少し前向きに過ごすことができるかも…って思える状態になれるだけで十分です。
本当に今はそれで十分なのです。
- 何かしなくっちゃ
- こうあるべき
- こうじゃないと…
こんな気持ちは持つ必要はありません。
うつ病でない人でもかなり窮屈な気持ちになります。
私がAさんに最もお伝えしたかった、もっと大事なことは
「あなたの心と体の健康」です。
先程、退職して後悔していることを整理してありますが、実際に無理をして今より悪い状況になることにならないようにしないといけません。
うつで退職して後悔している人に必要な対処法
あなたの現在の状態によって違いますので、一概に「がんばれ」とは言いません。
そう言えば、うつ病の方に「がんばれ」は禁句でしたよね。
それでは、あなたに必要な対処法を参考までにお読みください。
退職で後悔しているものの、まだ働けそうにない人
そう思っている人はムリして働く選択をしなくていいと思います。
- 働かなくっちゃ…
- 食べていけない
- まわりの目が…
お気持ちはわかりますが、Aさんはこの時期が一番苦しかったようです。
健康、お金、周囲の声など気になってしょうがない…
でも、ここで無理をするともっと状況が悪化する可能性もあります。
優先順位は、あなたの体と心の健康です。
お金の問題は日本に住んでいる以上、公的な制度を一時的に利用するのもありです。
遠慮なく今の状況で受けられるサービスを相談してみましょう。
ひとりで抱え込まないことが大事です。
いきなり生活保護には抵抗がある人もいろんな相談に乗ってくれますのでまずは電話を。
仕事を辞めて後悔しているけれど、「仕事をしてみたい」と思っている人
逆に、仕事ができそうだと思っている人でも、Aさんの話を聞いて気が付いたのは「過度な期待をもってしまうことは厳禁」だということです。
Aさんは仕事をしてみようと思ったときに後々このように思ったそうです。
仕事を探すときの心構え
全てを希望を満たす会社はない。
決して投げやりではないですが、自分の今までの実績やスキルは人並みだと認識することも必要。
自分の希望を羅列して、半分以上を満たしてくれるのであれば良しとするぐらいでやった方がいい。
どこの会社も100点はない
入社できても、何かしら問題は出てくるもの。
そこで、Aさんがこう考えるようにしたそうです。
- 自分の今の状況を受け入れてくれるだけでも十分
- 理解して採用されたってことは幸運
- 100点をのぞむことはやめよう
そうすると気が楽になったとのことでした。
再就職は長期戦だと覚悟しておく
実はAさんは働こうという気持ちになってから、再就職がお決まりになるまで長い期間はかかっていないとのことでした。
実際には、はじめるときに「半年は最低かかる」と覚悟して臨んだらしいのですが、結果は3カ月。
これは運もあるかと思いますが、Aさんの行動によるものだと感じています。
しかし、一般的には50代の転職は半年は覚悟する気持ちでいましょう。
職安や転職サイトで眺めるだけでもいい
Aさんの退職後の動きですが、働こうと思えるようになる前後からなんとなく情報収集はしていたようです。
- 自分が働きたい仕事はあるのか?
- 何歳まで働けるのか
- 収入はどのくらいが相場なのか?
そのように軽い気持ちで職安に行ったり、転職サイトを眺めるだけでもやった方が良いとAさんは言われていました。
とりあえず転職エージェントに登録だけしておく
次の仕事を見つける際に、真剣に探そうと思ったときにAさんは「やはり情報だな」と感じたそうです。
これは、職安などは特にですが好条件の求人がないって感じたことはありませんか?
私も職安に通っていた時にそう思いました。
でもこれは、当然のことで、地元企業が求人を出している主な先となっているからなのです。
それでは、もっといい求人情報を得るには何をすればよいのでしょうか?
答えは簡単、転職サイトやエージェントに登録をしておいて情報を収集するというもの。
もちろん、登録は無料です。
Aさんは、6社ほど登録してマッチングの結果を待つだけという転職活動だったと振り返られていました。
ポイント
結論:当初思っていたよりも、転職活動は楽に進めることができた。(Aさん談)
まとめ:50代でうつ病で仕事を辞めた…退職を後悔😥転職もできず人生が不安な人の対処法
うつの経験がない私も実は身内にいたので、実際にうつについては理解していたつもりですが、今回Aさんの話をあらためて記事にすることで再認識することができました。
まとめに入ります。
- 仕事を辞めて後悔していることを整理する
- 仕事よりももっと大事なことがある
- 後悔している人の対処法(経験談)
- 仕事をしたいと思ったら転職エージェントに無料登録だけでもしておく
あなたの状況は他の人と同じではありません。
自分の状況を無理せず健康第一を頭に判断していってください。
因みに、Aさんは家庭の問題も解決して病状もすっかり収まって新しい職場で元気にされています。
あなたもやれることからやっていきましょう。
WORK-LIFE-HAPPY TAKUZOでした。