あなたも聞いたことがあるはずの「転職や退職時のトラブル」
そう、退職・転職の際は、多かれ少なかれトラブルが発生しやすいと言えます。
特に50代となると、年齢的に役職も上がり、それに伴い仕事の責任や業務範囲も広くなり、なおさら退職・転職が難しい時期でしょう。
今の職場での立場があるからこそ、いざ「退職」となった際に強い引き留めにあい、転職先に提示された入社日に間に合わなかった、といったケースもあります。
50歳の転職や退職は様々なトラブルが予想されます。
トラブルにならないよう、退職・転職のトラブル事例やその回避方法、対処法をあらかじめ確認しておきましょう。
この記事でわかること
- 50代の退職や転職時によくあるトラブルと原因
- トラブルを回避する退職方法
- 退職トラブルが起きてしまった場合の対処法
- トラブルなく転職をスムーズにするためのポイント7つ!
50代の退職・転職時によくあるトラブルと原因
退職・転職時のトラブルは、今の在籍企業とのトラブルと転職先でのトラブル、どちらも発生する可能性があります。
ここでは、実際にどのようなトラブルがあるのか、退職・転職それぞれにおいて具体例をいくつか紹介します。
下記のような事例には必ず気を付けてください。
退職時によくあるトラブルと原因
出来れば揉めずに退職したいところですが、トラブルが少なくないのも事実です。
具体的にどのようなトラブルがあるのかを確認していきましょう。
よくあるトラブル事例
- 退職を引き止められる
- 退職金・未払い残業代が正しく支払われない
- 有給休暇の消化をさせてもらえない
- 引き継ぎができない
トラブル①退職を引き止められる
退職を告げたところ、強引な引き止めにあってしまうケースです。
本当にあなたの事が必要であるならば再考の余地があるかもしれませんが、上司の保身や会社都合などの理不尽な理由で引き止めにあう事もあるのです。
トラブル原因➤意思や転職時期が曖昧なままで上司に退職を告げた。
情報が曖昧なまま上司へ報告するのはやめましょう。
転職先の内定を確定させから報告するのがベターです。
また、口頭だとうやむやにされてしまう可能性もあるので、あらかじめ退職届を用意しておくのも良いでしょう。
トラブル➁退職金・未払い残業代が正しく支払われない
本来支払われるべき様々なお金が正しく支払われないというトラブルです。
トラブル原因➤就業規則を良く理解していなかった、自身の勤怠実績を正しく把握していなかった。
退職金についてはあらかじめ就業規則をチェックし、支払い条件を満たしているかどうかを確認する。
未払い残業代については退職後も3年間は請求可能ですので、自身の勤怠情報を正しく把握・記録しておくことが大事です。
トラブル③有給休暇を消化させてもらえない
有給休暇が残っているのに、「引継ぎがあるから」等、いろいろな理由をつけて有給を消化させてもらえないケースです。
トラブル原因➤会社側の都合を優先し、労働者の権利を考えてくれない。
有給申請の拒否は労働基準法違反です。
たとえ業務に支障が出るとしても、原則、企業側が拒否することはできないのです。
もし上司に相談しても解決しない場合は、人事部に相談するのが効果的です。
トラブル④退職後の後任が決まらない
後任者が決まらず、必要な引継ぎ業務を進めることができなくなってしまうケースです。
トラブル原因➤職場の人員不足、繁忙等により調整ができない。
結論からいうと、後任者が決まっていなくても退職は可能です。
・きちんと就業規則に則って退職の意向を示し、企業側もそれを了承している
・退職日と、退職までの予定を明確に伝えている
・引継ぎに全面的に協力する姿勢を示している(引き継ぎ書の作成など)
このように、あなたに非がない状況であれば、後任者を見つけ、業務の調整をするのは企業側の責任となります。
ですので、「引継ぎが終わっていない」を理由に退職を引き止めることはできません。
転職時によくあるトラブルと原因
続いて、転職時に起こりやすいトラブルについても確認しましょう。
よくあるトラブル事例
1.求人の条件と実際の条件が違う
2.転職先の雰囲気に馴染めない
3.思うように結果を出せない
トラブル①求人の条件と実際の条件が違う
給与、ポジション、業務内容が入社前の合意内容と違う、というトラブルです。
トラブル原因➤入社後の条件を口頭のみで確認し、書面に残していない。
内定が出たら、「雇用契約書」や「採用決定通知書」等の書面を必ず確認し、不明瞭な点があれば入社前に転職先に確認しておきましょう。
事前の条件との乖離が大きい場合は、早めに人事に相談することが大切です。
トラブル➁転職先の雰囲気になじめない
転職先の雰囲気にうまく適応できず、悩んでしまうケースです。
トラブル原因➤人間関係がうまく作れない、同じ業種でも、企業の風土、文化が全く異なるものだった。
転職後に一番起こりやすいと言えるトラブルです。
このような場合は、焦って慣れようとせず、ある程度の時間が必要だと覚悟しておきましょう。
まずは職場の人たちの顔と名前を一致させ、自分から積極的に挨拶をする。小さなことの積み重ねが大切です。
可能であれば、事前にネット等で転職先の企業文化や実際の雰囲気を調べておきましょう。
トラブル③思うように結果を出せない
50代となると、ある程度のポジションで、即戦力として期待され採用されていることも多いかと思います。
にも関わらず、思ったような結果を出すことができないというケースです。
トラブル原因➤気持ちが焦ってしまう、転職先での経験不足。
焦ってしまう気持ちは非常によく分かりますが、転職先ではまだまだ新人なのです。
・社内でのコミュニケーションを円滑にとれるような人間関係を構築する
・転職先のルール、仕事の進め方、指示系統を覚える
・求められている「結果」を明確に把握する
まず、この3点を意識して行動しましょう。
前職での実績がありますから、環境さえ整えばおのずと結果はついてくるはずです。
50代・トラブルを回避する退職方法とは?
いざ退職、という段階になってトラブルが発生してしまうと、現勤務先だけではなく転職先にも迷惑をかけてしまう可能性もあります。
トラブルが長引き、最悪の場合内定の取り消し・・・などということにならないように、事前に就業規則等をしっかり確認し、スムーズで円滑な退職ができるようにしておきましょう。
退職トラブルを回避するために事前に確認すべきことは?
意外と出来ていないトラブル回避のためのポイント。
簡単であたりまえなことがほとんどなだけにこれをやらないとトラブルになるのはあたりまえ?
一度、その内容を整理しておきましょう。
・退職日を明確にする
退職日は、なるべく早めに知らせましょう。
1カ月から2カ月前がベストです。
転職先の入社日が決まっていれば明確な日にちを伝えます。
もし調整中でも、「〇月中には」など、目安でも良いので伝えておくことが大切です。
それによって、後任者への引継ぎのスケジュールや、あなた自身が有給消化するための日程調整がスムーズに進むからです。
・退職することを最初に「上司」に伝える
退職することは、まず自身の上司に伝えましょう。
先に同僚や部下などに話してしまい、それが人づてに上司に伝わるのは心証が良くないため、トラブルに繋がりやすくなります。
入社して間もない社員ならともかく、50代ともなると大切な役職や業務を担っていることが多いため、自身の立ち位置も考え、確実に上司に伝えましょう。
・後任者への引継ぎは丁寧に行う
退職の際に引継ぎをするのは当たり前ですが、前述したように、世代的に大切な役職や業務を担っていることが多いため、より確実・丁寧な引継ぎが必要です。
業務内容、事務フロー、過去のトラブルの経緯や対処方法等をまとめた引継ぎ書を作成するだけでなく、口頭でもしっかりと引き継ぐことが大切です。
また、必要であれば取引先への挨拶も必要となります。
・退職後に必要な書類をきちんと用意しておく
退職時に受け取る書類は、主に4種類です。
・離職票
退職後、雇用保険の失業に関する給付を受けるために必要ですが、すでに次の就職先が決まっている場合は会社からの作成は不要です。
・雇用保険被保険者証
雇用保険の被保険者であることを証明するものです。
在職中は会社が保管しています。
転職先に提出が必要なので、確実に受け取りましょう。
・年金手帳
加入している公的年金に関する情報が記載されている手帳です。
会社が国民年金の基礎年金番号を確認するため、提出を求められているはずです。
コピーを提出している場合と、原本を提出し会社が保管している場合があります。
新しい勤務先でも、もちろん提出が必要ですので、手元にあるか、確認しておきましょう。
・源泉徴収票
転職したときは、退職する年の1月1日から退職時点までの給与に基づいた源泉徴収票の提出が必要になります。
また、会社側にも退職者に対して発行義務があります。
確実に発行してもらい、大切に保管してください。
・退職証明書
退職証明書とは、従業員が退職した際、一定事項についての証明書を請求した場合、遅滞なく交付を義務付けている書類です。(労働基準法第22条)
転職先に提出を求められる場合がありますので、必要かどうかをあらかじめ確認し、用意しておきましょう。
証明書に記載できる事項は以下の通りです。
・使用期間
・業務内容
・その会社における地位
・賃金
・退職理由(解雇による退職の場合は、その理由を含む)
なお、本人が請求しない事項については記入してはならないとされています。
もし退職トラブルが起きてしまった場合の対処法
・まずは人事に相談する
退職を伝えたことにより、上司や同僚との間にトラブルが起こってしまった場合、前述したように、まずは人事部に相談してください。
どのような問題が起きているのかを明確にし、社内で中立な立場として間に入ってもらいましょう。
・転職エージェントに相談する
現在では、転職エージェントを通して転職活動をする人が多いと思います。
転職エージェントというと、転職先を紹介するというイメージですが、退職に関するアドバイスをしてくれる場合もあります。
社内で相談しにくい問題も、転職のプロがしっかりと対応してくれるので安心です。
転職に関しての的確なサポートを受けたい場合は、確かな実績があるリクルートエージェントがおすすめです。
・弁護士へ相談する
社内での解決が全く見込めない場合は、弁護士へ相談しましょう。
最近は、退職代行サービス業者が増えていますが、弁護士資格がない・提携している弁護士がいない業者では会社から損害賠償請求をされた場合などに対応することができません。
また、残業代や給与の未払い・退職金未払いのトラブルに対応できるのも弁護士のみです。
いきなり退職代行サービスへ依頼するのではなく、まずは労働問題に強い弁護士を探して相談するのをおすすめします。
50代・トラブルを回避する転職方法とは?
内定を貰ったら、承諾する前に疑問点や気になる点を残さないようにすることが大切です。
疑問を残したまま入社し、せっかくの転職を後悔してしまうことにならないよう、必要なことは承諾前に確認し、納得した上で入社しましょう。
転職トラブルを回避するために事前に確認すべきことは?
・入社日の確認
当たり前のことですが、入社日がいつになるのかを、まず確認しましょう。
前述しましたが、現勤務先での引継ぎや退職手続きをする際のスケジューリングを行う上で大切ですので、なるべく早めに明確にしましょう。
・就業場所および転勤の有無
別支店や別拠点がある企業の場合、転勤で遠方の配属になる可能性があります。
自分のポジションにおける転勤の有無や、配属先をしっかり確認しておきましょう。
また、現在はテレワークを実施している企業も多くなってきていますので、導入しているようであれば実施条件等を確認しておくと良いでしょう。
・業務内容
具体的な業務内容は、入社前の書面や情報だけでは正確に把握できないことが多いです。
実際に求められる役割はなにか、配属先の組織体制、部下や上司の人など、入社前にできるだけ明確にしておくようにしましょう。
・賃金
基本給・賞与はある程度入社前に把握することが可能ですが、それ以外の手当やインセンティブなどについても可能な限り確認しておきましょう。
具体的には、下記のようなものがあります。
・営業成績にともなうインセンティブ
・給与、賞与に影響する人事評価制度について
・各種手当について(役職手当、家族手当、住宅手当、在宅勤務手当等)
もし転職トラブルが起きてしまった場合の対処法
・現職に対して誠実な対応を心掛ける
転職先が決まっても、現職場へは最後まで誠実な対応を心がけましょう。
どれだけ気を付けていても、退職するまでに大なり小なりトラブルが起きてしまう可能性はあります。
そういった場合も、焦らず、退職交渉において現職を批判してしまうようなことは避け、できる限りの引継ぎや身辺整理をしておきましょう。
最後まで一貫した誠実さを見せることで、上司も納得して送り出してくれるでしょう。
・内定は必ず書面で残す
転職先からの内定、および入社後の諸条件については必ず書面で残すようにしましょう。
書面の名称は、企業によって名称が変わります。(「内定通知書」や「採用条件通知書」等)例え転職先が知人の会社だったとしても、口約束は絶対にNGです。書面に残し、内容を改めて確認した上で、不明点があれば入社前に必ず確認してください。
・現職に報告するのは、転職先の内定確定後にする
転職活動をしていることを事前に知らせてしまうことで、退職の妨害や強引な引き留め、あるいは無理やり退職に追い込まれてしまうなどのトラブルが発生するリスクがあります。
こういったトラブル回避のためにも、現職への報告は、内定確定後とすることをおすすめします。
・転職エージェントの意見を参考にする
退職の際も書きましたが、転職エージェントを経由している場合は、転職エージェントに相談しましょう。
退職・転職に関する豊富な知識と経験を持ったプロですので、必ず参考になる意見を出してくれます。
トラブルなく転職をスムーズにするためのポイント7つ!
①現職の就業規則の確認
まずは、現職の就業規則をよく確認しておきましょう。
退職をする場合にはいつまでに申し出が必要か、退職後に必要となる書類の発行について、退職金制度など、あらかじめ調べておくと安心です。
不明点は人事に確認しましょう。
➁現在の自分の役職・業務内容の整理と精査
スムーズで的確な引継ぎを行うために、今の自分の役職における役割、それに伴う業務内容を整理しましょう。
そして、できればその内容を精査してください。すべての仕事をそのまま引き継ぐのではなく、この機会に業務の見直しを行って、後任者の負担が減らせるようにするとベターです。
③どのような条件・環境で仕事がしたいのか明確にする
「転職して何がしたいか」「何を重視するか」「年収はどれぐらい欲しいか」等、希望する条件は自分の中ではっきりさせておきましょう。
この条件がブレてしまうと、転職先を選びきれず、転職活動が長引いてしまう可能性があります。
また、せっかく転職しても結局状況を変えることが出来なかった、等の失敗を防ぐためにも大切なことです。
④転職の意思をはっきりと示す
上司に退職を伝える際は、「いつまでに退職したいです。」とはっきり伝えましょう。
曖昧な態度では、引き留めにあってしまうなどのトラブルに繋がりかねません。
⑤時期に余裕をもって転職する
転職トラブルを未然に防ぐために、転職時期には余裕を持ちましょう。
退職の際に問題が起きないとしても、現職場のトラブルで退職が遅れてしまったり、希望した退職日が認められない・・・といった可能性もあります。
転職先に影響が出ないよう、時期に余裕を持つことがトラブル防止に繋がります。
⑥履歴書の「本人希望欄」や「備考欄」を活用
転職活動中はスケジュール調整に苦労することが多くなるかと思います。
そこで活用するのが履歴書の「本人希望欄」や「備考欄」です。
連絡可能な時間帯や手段、入社希望日や退職予定時期を記載しておくことで、転職先とのやり取りがスムーズになります。
⑦転職エージェントの活用
転職エージェントは、退職・転職のプロです。転職希望者はもちろん、採用側の企業の立場についても熟知しています。
50代の転職となると、培ってきた経験やキャリアの積み重ねが大きくなってきていると思います。
プロに相談することで、改めて自分のキャリアを整理し、客観的な意見をもらうことでより自分の価値を高めた転職が可能となります。
また、転職エージェントが間に入ることによりスケジュール調整を代行してくれるケースもありますので、より効率よく活動することが可能です。
●まとめ
・現勤務先の就業規則をあらかじめ確認し、必要な手続きと書類を把握しておく
・トラブルになりそうな時はまず人事に相談、社内で解決できない場合は外部へ相談
・退社日と入社日を明確にする
・転職先の内定は必ず書面で残す
・転職エージェントを活用する
50代という世代での転職は、豊富なキャリアとスキルがある分、若い世代よりも色々と大変な部分が多くなると思います。
上記すべての内容を踏まえて、自分ひとりで動くのは中々骨が折れるでしょう。
そこで、大きな力となってくれるのが前述した転職エージェント。
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